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トレマ
トレマというのは、二つの点の形をした分離記号です。機能的には合字と逆のはたらきをします。
例えば、合字の項で見たように、oeという綴りは、フランス語では〔ウ〕(オとエの中間音)と発音されることになっています。このため、〔オエ〕という音を表記したい場合に困ります。そういう場合に活躍するのがトレマです。すなわち、oëと綴ることにより、〔オエ〕という音を表記することができます。
この例から明らかなように、トレマは二つ目の母音につけます。
ところで、ëというのは、厳密に考えると、次のいずれでもある可能性があります。したがって、これが出てきた場合には、辞書で発音を確認する必要があります。
- eにトレマがついたもの:無音または曖昧母音となる。
- éにトレマがついたもの:閉口音となる。
- èにトレマがついたもの:開口音となる。
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