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セディーユ
セディーユというのは、文字の下につける足のような記号で、フランス語においてはCにのみ用いられます。
Cという子音字は、A・O・Uの前では[k]と発音されます。そして、もし[sa]・[so]・[sy]と表記したい場合には、sa・so・suという書けばこれらの音を表記できます。
しかし、フランス語においては、沿革上・文法上の理由により、Cを[s]と読ませたい場合があります。その場合に、Cにこのセディーユをつけて、Çとします。Çは形としてもSによく似ています。
- ÇA ça
- 〔サ〕と読みます。
- ÇO ço
- 〔ソ〕と読みます。
- ÇU çu
- 〔シュ〕と読みます。
さきほど、沿革上・文法上の理由ということをいいましたが、具体的にはどういうことでしょうか。
例えば、「ça」(それ)という単語は、「cela」〔スラ〕が約まった単語ですので、「ca」と書いて〔サ〕と読ませたいのです。そういう場合に、セディーユを使って「ça」と綴れば〔サ〕と読んでもらえます。これが、沿革上の理由の例です。
文法上の理由というのは、例えば、「annoncer」〔アノンセ〕(知らせる)という動詞を活用させると、一人称複数で「annonçons」という形が出てきます(参照)。もしこれを「annonsons」と綴ってしまえば、文法に一貫性がなくなり、不便になってしまいます。
このように、「ç」というのは、機能(はたらき)は「c」であり、読み方が「s」という存在なのです。
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