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フランス語の人称代名詞
フランス語の人称代名詞は、人称・数・性のほか、格によっても変化します(格変化)。ラテン語の頃には、人称代名詞のみならず、すべての代名詞、さらには名詞も形容詞も格変化していましたが、フランス語では語順と前置詞により文中における名詞句のはたらきを示すことになったため、ほとんど格による変化が消失しました。僅かに格変化が残るのはこの人称代名詞のみです。
ラテン語では、主格・属格・与格・対格・呼格・奪格・地格の7格がありました(本当はもっとあった)が、フランス語では主格・属格・与格・対格の三つの格のみが残っています。もっとも、属格は三人称中性のみで使用します。
その他、フランス語には強勢形という形があり、呼びかけに用いたり、前置詞の補語になったりとさまざまなはたらきをしますが、ここでは呼びかけに用いるという点に着目して、便宜的に呼格としておきます。
以上を前提とすると、それぞれの格の機能は次のようになります。
- 主格:主語になる格。
- 属格:部分からみた全体を表す(部分属格)等さまざまな用法をする格。「de+名詞」に相当。
- 与格:間接目的語になる格。「à+名詞」に相当。
- 対格:直接目的語になる格。
- 呼格:呼びかけや前置詞の補語になる格。
それでは、人称代名詞を一つ一つ見ていきましょう。
- 一人称単数通性
- 二人称単数通性
- 三人称単数男性
- 三人称単数女性
- 三人称単数中性
- 一人称複数通性
- 二人称複数通性
- 三人称複数男性
- 三人称複数女性
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