フランス語学習館 
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能動態直説法過去時制の活用

過去時制は、過去に生起した事象について、そのプロセス全体に着目して表現する時制であり、この点、完了時制と同じです。過去時制と完了時制は、細かい使い分けはあるものの、大まかに考えればほとんど意味内容は同じです。

実際、フランス語の原語では過去時制も完了時制もともに「過去(passé)」であり、ただその形式に着目して、過去時制を「単純過去(passé simple)」、完了時制を「複合過去(passé composé)」と区別しています。しかし、単純とか複合というのは、形式という観点からの分類であって、時制という観点からの分類ではないため、この呼び方は分かりにくいと思われます。

細かい使い分けですが、単純過去形は歴史的な過去の事象を述べるのに使用するなど、過去時制と呼ぶのに相応しい実質を若干持っています。また、複合過去形の時制をもう一つ昔に遡らせると、「過去完了(plus-que-parfait)」となるため、複合過去形は完了時制と考えるのが体系として整合的です。

これらの点に着目すると、単純過去形を過去時制と呼び、複合過去形を完了時制と呼ぶことが妥当であると思われます。そこで、このウェブサイトでは、この二つの時制を、過去時制と完了時制と呼び分けることにします。

もっとも、前述のように、両時制はともに「過去に生起した事象について、そのプロセス全体に着目して表現する時制」であり、実質的にはほとんど同じものと考えて構いません。それでは、なぜこの二つの時制が存在するかというと、過去時制は主に文章語で用いられ、完了時制は主に口語で用いられるという違いがあります。つまり、過去時制は堅いインテリ好みの(それゆえに恰好いい)表現であり、完了時制はくだけた日常的な(それゆえに親しみやすい)表現であるということになります。

日本語でも、文章語では「~だ。~である。」といった引き締まった文体が好まれるのに対し、口語では「~です。~ます。」といった丁寧語が好まれますが、それと似たようなものだと思えばよいでしょう。

それでは、過去時制の活用について学びましょう。過去時制の活用語尾は、以下のようになります:

単数複数
一人称 -s*) -mes
二人称 -s -tes
三人称 -t**) -rent

*)語幹が「-a」の場合は「-i」となる。
**)語幹が「-a」の場合は消滅する。

それでは、具体的に見ていきましょう。

  1. 最重要不規則動詞の活用
    1. être
    2. avoir
    3. aller
    4. venir
    5. vouloir
    6. pouvoir
    7. savoir
    8. devoir
    9. faire
    10. dire
    11. prendre
  2. 第一群規則活用
  3. 第二群規則活用
  4. その他の不規則活用